自発的に動く仕組みや、熱や光などの刺激に応答して動く仕組みを持つ分子は、分子機械と呼ばれています。あたかも機械のように動くことで、構成している分子パーツを動かし、分子の構造変化や分子パーツ間の相互作用をスイッチングすることで、働く分子を作ることができます。
ロタキサンという棒状分子と環状分子を組み合わせて作る結合を利用すると、分子パーツがレールの上を走るようなメカニズムを分子に組み込むことができ、酸/塩基の添加などの外部刺激で金属錯体間のスピンスイッチがおこる分子や、同様のメカニズムでゲスト分子を取り込む分子などを作ってきました。また、金属錯体の可逆的な結合を利用して蓋が開閉する箱型分子を作り、フラーレンを選択的に取り込むことにも成功しています。
Reference
- Y. Yamada, M. Okamoto, K. Furukawa, T. Kato, and K. Tanaka, “Switchable Intermolecular Communication in a Four-Fold Rotaxane”, Angew. Chem. Int. Ed., 51, 709–713 (2012).
- Y. Yamada, R. Itoh, S. Ogino, T. Kato, and K. Tanaka, “Dynamic Molecular Invasion into Multiply Interlocked Catenane”, Angew. Chem. Int. Ed., 56, 14124–14129 (2017).
- S. Kawano, T. Fukushima, and K. Tanaka, “Specific and Oriented Encapsulation of Fullerene C70 into a Supramolecular Double-Decker Cage Composed of Shape-Persistent Macrocycles”, Angew. Chem. Int. Ed., 57, 14827–14831 (2018).